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辺境に住む津軽カモメがつづる なんか現実的な戯言
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未読の方はあらすじまで。既読の方はそれ以降もどうぞ。


―あらすじ―
いつもと変わらない朝のこと。目覚まし時計を止めたそのときから、永戸貴壱は不思議な世界に足を踏み入れることになる。
繰り返される7月1日。一日ごとにリセットされる世界。出会う不可思議な少女。
リピートされる世界で始まる、少年と少女のお話。

―以下ネタバレ―
四つの短編で構成されている物語。一話ごとに主人公が異なり、そのどれもに黒いゴスロリ少女が顔を出す。『ラキア』とは彼女のことを指すのだが、作中では正体が明かされることはない。
性格は辛辣で、リピート世界に巻き込まれた主人公達を見下した態度を取る。それでも、まだ見た目に沿った言動を覗かせることから、見せているのは素のものではないようである。

「日々反復」
数あるループものと同じで、やはり気づいたときにはループに囚われている状態で始められる。この主人公、永戸貴壱もいつの間にか7月1日を繰り返すことに。
2回、3回と繰り返すことに不安はつのり、そして今までと違う行動に出ることにする貴壱。学校から外れた公園に向かうと、そこには同じ学校の上木麻衣がベンチに腰掛けていた。
好意を持つ相手と話せたことに舞い上がり、翌日からは公園へと足を運ぶのが日課(と言っていいのか疑問だが)となった。
そのうちに彼女もループに気づいていることが判明。行動を共にすることになる。
ある日、公園へと向かう途中に、貴壱は不思議な少女と出会う。黒い髪に黒いゴスロリファッション。周りからは明らかに浮いているのに見向きもされていない。
話してみると、彼女はリピート世界のことについて知っているようだった。だが協力的とは言えず、かと言って敵視されてもいない。まるで他人の話に首を突っ込んだお節介のようなものだ。
この物語における重要なファクターであることは確実だろう。
ただ、この「日々反復」においては、結局は何もループについて解明されぬまま貴壱と麻衣は抜け出すことになる。

ループ世界を大きく取り上げたあらすじであったが、全編通してSFものというよりは、ループ世界での「恋愛話」と言った方が無難だろう。
この後に続く「世界の異常、二つのルール」「夢の中、橋の上」「外れた世界へ」も同じだ。ループという概念は物語のスパイスでしかなく、その繰り返される世界で繰り広げられる恋愛模様に味を出す役割になっている。
ループに取り込まれた者達による人間模様。短編とすることによって、上手く視点を変えている。異なるシチュエーションを見せ付けることによって、飽きを来させない造りにしたのだろう。
ただそのせいか、一話一話が薄っぺらく感じられた。かの「クロスチャンネル」と比べるのは門違いかもしれないが、ループから抜け出すその過程を期待して購入した者には肩透かしをくらった感覚になる。
何より、作中で「ループすることは、その世界では当たり前」と説明されている部分がある。つまりは原因なんてないのだ。その世界はループしていても平常なのであって、紛れ込んできた主人公達が異分子となる。ただ日々を過ごすだけでループから脱出してしまっているのも面白くない。
いつの間やら終ってしまっていて、盛り上がりに欠けるのは否めないだろう。
ただ、その結末の描写は水彩画のように淡い雰囲気で好感が持てる。SF要素を混ぜずに、普通に恋愛ものを書いた方が良いのではないか、と思った。

短編というせいもあって、登場人物が多い。しかも、やっと覚えたと思ったら次の話に移るので哀愁に駆られたりする。
特に「外れた世界へ」では、時間軸、世界、人物、それらがころころと変わるので誰が誰だか全く分からなくなる。いちいち読み返さないと理解できないのは如何なものか。

やはり、一つの主人公に括るか、ラキアを主人公に当てるべきだったのではないだろうか。もしくは一人称ではなくて総じて三人称にする、など。
表題にもなっているラキアに魅力がないのも致命的である。出番もなきに等しい。エピローグで意味ありげに黄昏られても、こちらとしては呆気に取られるだけである。
続刊に続くのはあとがきを見ても確実。しかし、一巻ではループに関するものが殆んど明かされず、それを二巻で大公開するから買え、と暗に言われているような気がしてならない。

短編の内容が、普通の話として面白かっただけに口惜しい。作者は短編小説大賞を受賞しているのだから、材料を選び間違えなければ美味しい料理が出来上がったはずである。

それはそうと、巻頭カラーの四ページ目が目に焼きついて離れない。パジャマ姿でお盛んしているようにしか見えないのは、自分だけではないと思う。
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